『Voices』『Puzzle』に続く、歌詞なし多重コーラスもの第3弾。前2作に比べて民族テイストなどマニアック要素を薄め、軽く明るくしたそうだけど……嘘です。ジャケット絵に騙されてはいけない。いや前2作に比べれば、ポップには違いないんだけどさ。
最初は1日の始まりにふさわしく明るくポップな感じ……と思うと、ラッシュアワーの緊迫感、うららかな日差し降る庭園、無機質な高層ビル群――と、めまぐるしく変わる街を切り取っていく。
それらを描く声はますます多彩に。ブルース?ジャズ?ばりのだみ声、あとオペラ調も今回初登場かな? うがいやあくびまであるでよ。民族ヴォイスも実は健在で嬉しい。
そして曲のジャンルもますます不明に。個人的趣味でエレクトロニカや音響系あたりが印象に残るけど、クラシックとかの要素もあるようで。
全体的には、ここ最近のワークの集大成という感じもする。時にコミカルな曲調は『*2』、ポップな部分は『ガメラ』の前半部分、アンビエントは『ドルフィンブルー』の曲を思い出させる。多重コーラス前2作のような統一感はなく、その代わりあの手この手でさまざまな表現を生み出している。「ここでこう来るか!」が多くて聴き応えあり。
あと、曲タイトルになっている東京都内の地理が分かるとちょっと楽しい。個人的に、track9(西新宿)の神がかった感じが好き。都庁のツインタワーを頂点にしたビル群は、無性に「人でない領域」を思わせる。でもtrack6(代官山)は分からない……「女性に人気のおしゃれな街」というイメージとはほど遠い、廃墟のようなコーラスと男声ヴォイス。でも曲としては一番好きだったり。
と、相変わらず説明不能で迷宮のような音世界。TOKYO散歩のBGMというより、怒濤のTOKYOツアーに連れていかれます。
MySpace.com - TOKYO HUMMING (試聴可、いきなり音出るので注意)
2008年09月16日
上野洋子『TOKYO HUMMING』
posted by 築城 at 23:19| アンビエント
2008年09月06日
筒井香織『水の楽園 - ピアノ作品集』
「水底に沈んだ街」をイメージしたピアノ曲集『組曲「水の楽園」』 + 伝説の都市・イスをモチーフにした絵のBGM集『3つの素描』――という2部構成のアルバム。
『組曲「水の楽園」』は、叙情的なピアノがとにかく心の琴線ふるわせまくりなのですよ。メロディが鮮やかに情景を描き、物語を紡いでいく。久石譲のソロピアノ曲が好きな人は好みかも。でもクラシックでありながら、どこかプログレ。な気がする。
一方の『3つの素描』の方は、ピアノ以外の音も混じり、ミステリアスな古都のイメージ。3曲だけだとちょっと物足りない……「絵に音楽をつける」試みはほかにもやっているようなので、そこら辺まとめて聴きたいなあ。
Alphonte (アーティスト&レーベル公式)
MusicTerm--SHOP--CD--020420 (通販サイトの商品紹介ページ。全曲試聴可)
『組曲「水の楽園」』は、叙情的なピアノがとにかく心の琴線ふるわせまくりなのですよ。メロディが鮮やかに情景を描き、物語を紡いでいく。久石譲のソロピアノ曲が好きな人は好みかも。でもクラシックでありながら、どこかプログレ。な気がする。
一方の『3つの素描』の方は、ピアノ以外の音も混じり、ミステリアスな古都のイメージ。3曲だけだとちょっと物足りない……「絵に音楽をつける」試みはほかにもやっているようなので、そこら辺まとめて聴きたいなあ。
Alphonte (アーティスト&レーベル公式)
MusicTerm--SHOP--CD--020420 (通販サイトの商品紹介ページ。全曲試聴可)
posted by 築城 at 23:50| インスト
2008年09月05日
KOKIA『a i g a k i k o e r u』
事務所から独立後、初めてのアルバム。
いやー地味だ。何が地味って、シングルカットできそうな曲がない(笑) いや別にしなくていいんだけど。アレンジを極力シンプルに、コーラスとかもあまりなく、声一本で勝負という感じ。『調和』から入った私としては、最初はちょっと物足りない感じだったけど、数回聴いた後にはしっかり愛聴盤に。それだけ聴かせるヴォーカルであることを再確認。
曲調はわりと普通のポップス揃い……の中にtrack4のような和テイストがあったりして、ちょっとニヤリ。そういう「普通とはちょっと違う」部分は今後も続けてほしいところ。しかし本作はやはり、後半のストレートに歌い上げるバラードがイチオシだと思う。
@Victor Entertainment 作品詳細 KOKIA a i g a k i k o e r u (全曲試聴可)
いやー地味だ。何が地味って、シングルカットできそうな曲がない(笑) いや別にしなくていいんだけど。アレンジを極力シンプルに、コーラスとかもあまりなく、声一本で勝負という感じ。『調和』から入った私としては、最初はちょっと物足りない感じだったけど、数回聴いた後にはしっかり愛聴盤に。それだけ聴かせるヴォーカルであることを再確認。
曲調はわりと普通のポップス揃い……の中にtrack4のような和テイストがあったりして、ちょっとニヤリ。そういう「普通とはちょっと違う」部分は今後も続けてほしいところ。しかし本作はやはり、後半のストレートに歌い上げるバラードがイチオシだと思う。
@Victor Entertainment 作品詳細 KOKIA a i g a k i k o e r u (全曲試聴可)
posted by 築城 at 23:19| ポップス